【雲南旅行記】麗江古城観光の見どころと玉龍雪山|ナシ族文化と民宿体験
雲南省の旅の中で、いちばん印象に残っている町は麗江です。
麗江古城は世界遺産に登録されている古都で、中国・雲南省を代表する観光地のひとつ。
少数民族ナシ族の文化が今も見られる場所として知られています。
この旅は2010年、北京留学中の冬休みに訪れたものです。
細かな日程は曖昧になりましたが、石畳の町並み、夜に灯る提灯、そして玉龍雪山の景色は、いまもはっきり思い出せます。
昆明・大理・麗江・シーサンパンナを巡る行程の中でも、麗江は雰囲気が大きく異なる町でした。
にぎやかな都市観光とも、整えられたテーマパーク型の観光地とも違い、暮らしの気配の中を歩く感覚があったのです。
この記事では、麗江古城の町並み、玉龍雪山の景色、ナシ族文化、民宿での体験を中心に、実際に滞在して感じたことをまとめています。
麗江観光を検討している方はぜひ読んでみてください。
麗江古城の町並みと雰囲気|石畳と水路が残る世界遺産の古都

麗江古城に着いて最初に感じたのは、「あれ、中国らしくない」という感覚でした。
麗江は一般的な中国の古都とは少し違い、少数民族「ナシ族」の文化が今も見られる町です。
世界遺産に登録されている麗江古城には、石畳の道と水路が残り、雲南省有数の観光地として知られています。
細い石畳の道の両脇を水路が流れ、木造の建物が続いています。
派手な看板や高層ビルはなく、視界の中に空が広く残っていました。
夕方になると軒先に提灯が灯り、町全体がやわらかな色に包まれていきます。
それまで私が知っていた中国の都市は、人が多く、音も多く、どこかせわしない印象がありました。
けれど麗江では、流れる水の音とゆっくりした歩く速度が当たり前のように存在しています。
水路の町並みや音楽も観光のために整えられたというより、この土地の暮らしの延長にあるものに感じられました。
観光地なのに急かされる感じがない。
目的地がなくても歩いていたくなる。
この町が長く記憶に残っている理由は、たぶんこの「居心地の良さ」だったのだと思います。
麗江古城の土産物と人との交流|水牛の角のくしの思い出

古城の中には小さなお店がたくさん並んでいて、工芸品や装飾品が所狭しと置かれていました。
その中の一軒で、娘が水牛の角でできたくしを手に取り、遊ぶように触っているうちに歯を一本折ってしまいました。
わざとではなく、完全に子どもの不注意です。
慌てて弁償しようとしたのですが、同じツアーに参加していた中国の方が店主に話しかけ、何やら交渉をしてくれたのです。
結果、新しいくしと折れたくしの両方をセットにして、安く購入することになりました。
正直なところ、そのときは「余計なものを買ってしまった」と思っていました。ところがその後、使わないともったいないからと使い始めたそのくしがとても使いやすかったのです。
静電気が起きにくく、髪の通りも良く、気づけば長く使い続けていました。
旅の記憶は景色だけで残るわけではありませんよね。
予定調和の旅よりもハプニングがあった方が旅は記憶に残ります。
あのとき周囲の人が自然に助けてくれたことも含めて、麗江の印象を形づくっている出来事になっています。
ちなみにこの旅は2010年。当時の中国はまだ現金での支払いが基本で、小さな店ではカードはほとんど使えませんでした。
私も両替した人民元を持って歩き、残金を気にしながら買い物をしていたのを覚えています。
ただ、現在の中国は電子決済が主流になっており、旅行前の準備の考え方も大きく変わっています。
今これから行く方向けに、海外でのお金の準備についてまとめています。
▶ 海外旅行前のお金の準備はこちら
ナシ族文化とトンパ(東巴)文字|麗江で見られる少数民族の暮らし

古城の店の中には、見慣れない不思議な文字が並んでいる場所がありました。
絵のような記号が並び、最初は装飾だと思って見ていたのですが、これはトンパ文字(東巴文字)と呼ばれるナシ族の文字だと教えてもらいました。
麗江では、少数民族ナシ族の文化を今も暮らしの中で見ることができます。
好きな言葉や名前を伝えると、職人がTシャツにその場で書いてくれるというお店もありました。
自分の名前や大切な人の名前を頼んでいる観光客の姿も見かけます。
民族衣装を着た女性が普通に店番をするなど、観光地でありながら生活の気配が消えていないのも印象的でした。
展示された文化ではなく、いまも続いている暮らしの一部として存在しているように感じられました。
麗江古城の夜景と民宿体験|四合院の宿で過ごした夜

夜になると古城の提灯が灯り、昼とは別の町になります。
観光客は多いのに騒がしさはなく、水の流れる音の方が印象に残るほどでした。
ツアーで知り合った大学教授の方に誘われ、その方の知り合いが営む民宿を訪ねることになりました。
ナシ族の伝統的な四合院を改装した建物で、中庭には木が植えられ、奥には川が流れています。
そこでプーアル茶をいただきながら、宿の主人や宿泊客と話をしました。
その民宿では、お金がなくてもその民宿のお手伝いをすれば泊めてくれるとのこと。
そして、見知らぬ者同士が夜遅くまで語り合うという話も聞き、人と人との距離の近さが感じられて心に残りました。
気づけばかなり遅い時間に。
帰りはタクシーでホテルへ戻りました。
観光の予定に入っていたわけではないこの夜が、旅の中で最も印象に残る時間になりました。
麗江観光の基本情報(旅行前に知っておきたいこと)

麗江古城は標高約2,400mの高地にあり、平地より空気が薄く感じられます。
階段や坂を歩くと息が上がりやすく、軽い頭痛やだるさなど高山病の症状が出ることがあります。
実際に同じツアーの参加者の中には、到着後に頭痛が出て観光を控え、ホテルで休んでいた方もいました。
一方で、私と娘は特に体調の変化はなく、問題なく観光できました。
症状の出方には個人差があるようです。
また朝晩は気温が下がるため、夏でも羽織りがあると安心です。
標高が高い分、日差しも強く、帽子や日焼け対策は欠かせません。
到着日は無理をせず、ゆっくり歩くことが快適に過ごすポイントでした。
子連れ旅行の様子については、別記事でも書いています。
→小学生の子ども連れで中国旅行は可能?実体験からの結論
玉龍雪山観光と印象麗江ショー|標高と見どころ体験記

麗江観光では郊外の玉龍雪山も定番の見どころとして知られています。
玉龍雪山は、とにかく景色の記憶が強い場所です。
ロープウェイで一気に標高の高い場所まで上がると、空気の薄さと同時に視界の広さに驚きました。
雪山というより、空に近い場所に来た感覚に近かったと思います。
歩くと息が上がり、寒さもありましたが、それ以上に目の前の景色に意識が向いていました。
空気が澄んでいるのもあるのでしょうが、息を飲む景色とはこのことだという感じでした。
山のふもとでは、野外パフォーマンス「印象麗江」を鑑賞。
玉龍雪山を背景にした屋外劇場で行われる公演で、ナシ族を中心とした少数民族の暮らしや祭りをイメージした場面が次々と展開していきます。
客席のまわりには段状の通路が巡らされており、舞台は正面だけではありません。
出演者や馬がその通路を行き来し、ときには観客席を取り囲むように移動します。
遠くの舞台を眺めるというより、自分が舞台の中に座っているような感覚でした。
群舞の場面では多くの出演者が一斉に現れ、山を背景に動きが広がっていきます。
この地域の生活や祈りの風景をまとめて見ているような印象でした。
この公演は映画監督チャン・イーモウの演出によるものです。
娘は最後まで静かに見入っていました。
終わったあとに「また見たい」と言ったのを、いまでも覚えています。
今回の麗江訪問は、雲南省を8日間かけて巡った旅の一部でした。
昆明・大理・麗江・シーサンパンナを回った全体の行程は、こちらにまとめています。
▶ 雲南省8日間の旅行ルートと体験記はこちら
大理・喜州白族村の三道茶体験|雲南少数民族文化のもてなし

移動途中に立ち寄った喜州白族村では、白族の伝統的な建築を利用したお茶屋に案内されました。
建物の説明を受けたあと、客人をもてなす「三道茶」をいただきます。
最初の一杯は苦いお茶。
二杯目は黒砂糖などが入った甘いお茶。
三杯目は香辛料が効いた、余韻の残る味のお茶。
三つの味は人生を表しているのだと説明を受けました。
苦い時期、甘い時期、そしてさまざまな経験が混ざる時期。
観光の演出とお茶の販売の一貫ではあるのですが、その話と味の組み合わせが印象に残り、ただの試飲以上の体験に感じられました。
麗江観光の見どころまとめ(初めて行く人向け)

初めて麗江を訪れる人向けに、観光のポイントを簡単に整理します。
麗江観光の中心は世界遺産の麗江古城です。
石畳の町並みや水路の風景を歩くだけでも楽しめます。
少数民族ナシ族の文化が残り、トンパ文字の店や民族衣装の人々の姿も見られます。
郊外では玉龍雪山や印象麗江ショーが人気の見どころです。
古城は夜の提灯の景色も美しく、昼と夜で雰囲気が大きく変わるのも魅力でした。
麗江は「雲南旅行でどこに行くか迷っている人」にまずおすすめしたい町です。
麗江観光の魅力まとめ|また訪れたくなった理由

麗江は観光地として有名な場所ですが、記憶に残っているのは観光名所そのものより、町の空気や人とのやり取りでした。
くしの出来事、民宿での夜、お茶の時間。
どれも予定に書かれていたわけではありません。
けれど、そうした時間の積み重ねが、この町を「また行きたい場所」にしてくれたのだと思います。
急かされることも、強く勧められることもなく、ただ歩き、立ち止まり、座ってお茶を飲む。
特別なことをしなくても、時間を過ごすこと自体が心地よく感じられました。
観光地を訪れたというより、しばらくこの町の暮らしの中に身を置かせてもらった――麗江は、そんな感覚の残る場所でした。
次の記事では、同じ旅で訪れたシーサンパンナについて書きますね。
