最後まで何かが起こる|ハロン湾と謎すぎるベトナムドン
カンボジアで3日間たっぷり遊んだあと、私たちは夜の便でハノイへ移動しました。
シェムリアップを出発したのは20時45分。
ハノイのホテルに着いたのは、もう23時半を過ぎていたと思います。
そして翌朝の出発は7時40分。
ホテルに着いて、寝て、起きたらすぐ出発です。
旅も終盤ですが、この日は世界遺産のハロン湾へ向かいます。
カンボジアでは、私たち姉妹を含めて4人だったツアーも、ベトナムに入ると総勢20人。
ご夫婦で参加している人も多く、一気に「団体旅行らしい人数」になりました。
朝からバスに乗り込み、ハロン湾へ向かいます。
ハロン湾まで4時間。でも退屈はしない

ハロン湾までは、ハノイから片道約4時間。
往復すると8時間です。
遠い。かなり遠い。
でも、その4時間をただ座って過ごすことにならなかったのは、ガイドのティムさんのおかげでした。
ティムさんは日本語がとても上手です。
しかも、語呂合わせまで次々と出てきます。
どうやってそんな日本語を覚えたのだろうと思っていると、話はいつの間にかティムさん自身の人生へ。
国からお金を借りて日本へ日本語を学びに行き、帰国後もなかなか借金を返せず、その返済のために九州の離島で技術開発の通訳をしていたのだそうです。
観光地へ向かうバスの中で、まさかガイドさんの借金返済の話まで聞くとは思いませんでした。
でも、私はこういう話が好きです。
4時間の移動も、話を聞いていると意外と退屈しませんでした。
そして途中、トイレ休憩を兼ねて立ち寄ったお土産屋さんで、今度は別のものが気になります。
ジャコウネココーヒーです。
1杯15ドル。飲まない。でも気になる

ジャコウネココーヒーは、高級なコーヒーなのだそうです。
店では実際に飲めるというので、「いくらですか?」と聞いてみました。
1杯15ドル。ベトナムで15ドル。
うーん。
そこまでして、今ここで飲まなくてもいいかな。今回はやめました。
でも、こういうものは一度知ってしまうと気になります。
どんな味なのだろう。普通のコーヒーと、そんなに違うのだろうか。
作り方まで聞いてしまうと、ますます気になります。
その場では飲みませんでした。
飲まなかったのですが、結局、帰りの空港で買いました。
飲むのは我慢できても、好奇心までは止められなかったようです。
やっと着いた。今度は船に乗る

そんなこんなで4時間走り、ようやくハロン湾に到着しました。
世界遺産のハロン湾。
漢字で書くと「下龍湾」。
龍が降りた場所という伝説があるそうです。
ここからは船に乗ります。
「ハロン湾クルーズ」
と聞いていたので、私はなんとなく優雅な船旅を想像していました。
そして実際に目の前へ現れた船は、その想像とは少し違いました。
でも、クルーズです。乗ればクルーズです。
船の中ではシーフード料理を食べながら、窓の外に次々と現れる奇岩を眺めます。
海の上に、大きさも形も違う岩がぽこぽこと浮かんでいます。
写真で見た景色が、今は窓の外にある。
こういうときは、やっぱり来てよかったと思います。
さらに途中、海上で暮らしている漁師さんが船に近づいてきました。
シャコ、牡蠣、カニ、貝。
その場で買えば、調理してもらえるそうです。

こちらは世界遺産を見に来ています。
でも、この海を仕事場にして暮らしている人もいます。
同じ景色でも、観光客とそこに暮らす人では見えているものがまったく違うのでしょう。
そんなことを考えているうちに、今度は途中下船して鍾乳洞へ向かいました。
鍾乳洞より見つけた人のその後が気になる

この鍾乳洞で、私が妙に覚えているのは鍾乳石の形だけではありません。
ティムさんによると、もともとは漁師さんが探し物をしている途中で偶然見つけ、役所へ届けたのだそうです。
ところが、その本人には特にお金が入らなかったらしく、今も「お金をくれ」と訴えているのだとか。
細かい経緯がどこまでその通りなのかは分かりません。
でも、一度そんな話を聞いてしまうと、気になります。
世界遺産の鍾乳洞を発見した。
普通なら、「すごい発見をした人」という話で終わりそうです。
でもそのあとに、お金の話が続きます。
世界遺産という大きな肩書きより、
見つけた人、まだ納得していないらしい。
そのほうが妙に頭に残りました。
4時間かけて戻ってもまだ終わらない

ハロン湾観光を終えると、また4時間かけてハノイへ戻ります。
往復8時間。
数字にすると、やっぱり長い。
帰りは窓の外を眺めていました。
町や田んぼ、バイクで走る人が次々と流れていきます。
目的地ではない場所の景色も、見ていると意外に退屈しません。
夕方、ハノイへ戻ると今度は夕食です。
フォー、生春巻き、炒め物、ご飯。

最後はプリン。
ここまでくれば、ホテルへ戻って眠りたいところです。
でも、私たちはこの日の深夜便で帰国します。
前日の23時半過ぎにホテルへ着き、
朝起きて、
ハロン湾まで往復8時間。
観光して、
夕食を食べて、
そのまま空港へ。
なかなか長い一日です。
そしてこの旅は、最後まで何も起こらずには終わりませんでした。
ノイバイ空港人が多い
空港に着いて、まず驚いたのが人の多さでした。
とにかく、人が多い。
搭乗する人だけではありません。
見送りの人もたくさんいます。
ティムさんによると、親や兄弟、親戚までみんなで見送りに来ることがあるのだそうです。
その話を聞いて周りを見ると、
なるほど。
この人数なら本当にそうなのだろうな。
と思います。
さらに、同じ作業服を着て、胸にベトナムと韓国の国旗をつけている人たちもたくさんいました。
これから韓国へ行くのかな。仕事なのか、研修なのか。
そんなことを想像しながら空港の人たちを眺めていました。
飛行機は深夜1時30分。
まだ時間があります。
姉はもうすっかり疲れて、椅子の上で横になって寝てしまいました。
私は寝てしまうのも不安なので、空港内をうろうろします。
でも、空港という場所は、何時間も歩き回るほど見るものがあるわけでもありません。
そして、この長い一日の最後に待っていたのが、
私のあまり得意ではないもの。
数字でした。
0.5ドルはいったい何ドン?

空港で、蓮の実のフライを買いました。
4.5ドル。
5ドル札を出すと、お釣りとして返ってきたのが、
1万ドン札が1枚。
1000ドン札が1枚。
つまり1万1000ドンです。
私の頭の中では、
0.5ドル=1万1000ドン。
となりました。
せっかくなので、このドンを使い切って帰ろうと思います。
次に買おうとしたのが、1.5ドルのビール。
1ドル札と、さっきもらった1万1000ドンを出せばいい。
簡単です。
そのつもりでした。
ところが、店員さんの反応がおかしい。
足りないらしい。
え?
だってこれは、さっき0.5ドルのお釣りとしてもらったお金です。
でも、
「もっと」
と言われます。
どういうこと?
ベトナムドンは、ただでさえゼロが多いのです。
1万なのか10万なのか、疲れた頭では一瞬で判断できません。
しかも私は、数字が得意ではありません。
もうよく分からないので、2ドル出しました。
すると今度は、お釣りとして、
1万ドン札1枚。
2000ドン札1枚。
1万2000ドンです。
では今度は、
0.5ドル=1万2000ドン?
さっきは1万1000ドンでした。
同じ空港。
同じ夜。
どういうこと?
今考えれば、お店ごとにドルからドンへの換算レートが違っていただけなのかもしれません。
ただでさえ長い一日の終わりです。
そこへ1000ドン単位の謎を持ち込まれても、もう考える力が残っていません。
わかりました。
そういうことにしましょう。
旅の最後は、言われるがままです。
最後に残ったのは0.5ドルの謎
この旅では、アンコールワットもハロン湾も、見たかったものをたくさん見ることができました。
なのに旅の最後、私の頭を占領していたのは、
0.5ドルはいったい何ドンなのか。
でした。
考えてみれば、最後までこの旅らしい気がします。
見に行くと決めていたものの間に、予定していなかったことが次々と入り込んできました。
そして帰ってから思い出すと、そういう小さな出来事までちゃんと旅の景色になっています。
次にベトナムへ行くことがあったら、今度こそベトナムドンを華麗に使いこなしたい。
……と言いたいところですが。
たぶん私はまた、レジの前でゼロの数を数えていると思います。
海外旅行のお金、どう準備する?
海外旅行では「現金をいくら持っていく?」「カードは使える?」「現地通貨はどう用意する?」と迷うこともあります。
海外旅行でのお金の持ち方や、現金・クレジットカード・Wiseの使い分けはこちらにまとめています。
→ 海外旅行のお金の準備|現金・クレジットカード・Wiseの使い分け
このシリーズをまとめているカンボジア旅行記はこちらです。
□カンボジア・ベトナム旅行|アンコールワットだけじゃなかった4泊5日の記録
①空港からして想像と違った|姉とふたり、初めてのカンボジアへ
②値切って、揉まれて、また揉まれる。シェムリアップの夜は忙しい
③説明が終わってもなぜか動かない。カンボジアで気になった「間」
⑤30分じゃ足りません。シェムリアップのオールドマーケットへ
⑥今回の記事です

